仮想通貨の市場は急速に拡大し、多くの人が投資に関心を持つようになりました。
その中でも「レバレッジ取引」は、少ない資金で大きな利益を狙える可能性があるため、注目を集めています。
しかし、レバレッジ取引には大きなリスクも伴うため、正しい知識とリスク管理が必要不可欠です。
この記事では、仮想通貨投資初心者の方にもわかりやすく、レバレッジ取引の仕組みやメリット・デメリット、リスク管理の方法まで詳しく解説します。
これから「仮想通貨投資をしたい」「レバレッジ取引に挑戦したい」という方は必見の内容なので、ぜひ最後までご覧ください。
仮想通貨のレバレッジ取引とは?

「レバレッジ」とは「てこの原理」を意味する言葉で、少ない資金で大きな取引を行う仕組みのことを指します。
例えばレバレッジ2倍なら、手元資金の2倍の金額まで取引が可能です。
仮想通貨市場でもレバレッジ取引は広く行われており、ビットコインやイーサリアムといった主要コインだけでなく、アルトコインでも対応している取引所が増えています。
レバレッジ取引では「証拠金」を取引所に預け入れ、それを担保に大きなポジションを持てます。
例:10万円の証拠金 × レバレッジ10倍 = 100万円分の取引が可能
ロングとショート
- ロング(買い):価格上昇を狙う
- ショート(売り):価格下落を狙う
現物取引では、安く買って高く売る(ロングポジション)が基本ですが、レバレッジ取引ではショートという取引方法があります。
ショートは、保有していない銘柄を借りて高く売りつけて、価格が下がったところで安く買い戻すことで利益を得る投資手法で、下落局面でも利益を狙えるのがメリットです。
上昇局面・下落局面のどちらでも利益を得るチャンスがあるのが、レバレッジ取引の特徴です。
レバレッジ取引のメリット・デメリット

レバレッジ取引には、メリットとデメリットが混在しています。
メリットだけに目がいくと、思わぬ落とし穴が潜んでいる可能性があるので、以下でレバレッジ取引のメリット・デメリット両方について確認していきましょう。
- レバレッジ取引のメリット
- レバレッジ取引のデメリット
レバレッジ取引のメリット
レバレッジ取引のメリットは以下の3つです。
- 少ない資金で大きな利益が狙える
- 相場の上下どちらでも稼げる
- 短期トレードに向いている
現物取引の場合は軍資金以上の金額は取引できませんが、レバレッジ取引は手元資金が少なくてもレバレッジをかけることで高額の取引が可能になります。
また、「買い」だけでなく「売り」でも利益を狙えるため、稼ぐチャンスが多いです。
さらに、株式投資よりもボラティリティが大きい仮想通貨市場では、短期間で利益を狙いたい場合にレバレッジ取引は有効です。
つまりレバレッジ取引を活用すれば、短期間で大きなリターンを狙えるだけではなく、ショートにポジションすれば下落相場でも利益を出せるので投資の幅が広がるでしょう。
レバレッジ取引のデメリット
レバレッジ取引にはメリットがある一方でデメリットも存在するので確認しましょう。
- 損失も拡大する
- ロスカットのリスク
レバレッジ取引は利益が拡大するのと同じく、損失もレバレッジ倍率に応じて大きくなります。
例えば、10万円を元手に投資をした場合の1%の損失は1,000円ですが、10倍のレバレッジをかけていた場合は1%の損失が1万円に跳ね上がります。
元本 | レバレッジ | 1%の損失 |
10万円 | なし | 1,000円 |
10万円 | 10倍 | 1万円 |
このように損失が発生した場合の損失額が大きくなる点がレバレッジ取引の怖いところです。
また、損失が大きくなりすぎると自動的にポジションが強制決済される「ロスカット」が発生し、証拠金のすべてを失うリスクがあります。
例をあげると、10万円を証拠金として10倍のレバレッジをかけた場合、損失10%は10万円のため証拠金がなくなりロスカット(強制決済)となります。
ロスカットの基準は取引所によって異なり、証拠金維持率を100%や80%に設定している場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。
レバレッジ取引はリターンが大きくなる一方でリスクも大きくなるので、上記2つのデメリットを把握した上で投資する必要があるでしょう。
仮想通貨投資初心者が陥りやすい失敗例と対策

仮想通貨投資初心者にとって、レバレッジ取引はハードルが高い投資手法です。
以下で仮想通貨投資初心者が陥りやすい失敗例とその対策について解説していくので、これからレバレッジ投資を始める方は参考にしてください。
- 高すぎるレバレッジ設定
- 相場分析不足
- 損切りができない
高すぎるレバレッジ設定
最初から10倍以上のレバレッジをかけると、ちょっとした値動きで大きな損失になるためリスクが高いです。
そのため、初心者は2倍〜3倍程度の低いレバレッジからスタートして経験を積みましょう。
また、元本となる証拠金は無くなっても支障がない範囲の金額からスタートしてください。
相場分析不足
仮想通貨投資初心者は「インフルエンサーが推していたから買う」「理由は分からないけど最近大幅上昇しているから買う」というように、根拠のないトレードをしがちですが大変危険です。
実際私も仮想通貨投資初心者のときは話題性のある銘柄を購入していましたが、どれも高値掴みとなって損失を発生させてしまいました。
そのためレバレッジ投資をする際は、当たるかどうかは別として利益を出せる根拠を組み立てた上で投資しましょう。
もちろん、とりあえず投資してみないと分からないことも多いので、初心者は低額から投資してみてください。
損切りができない
損失が発生しても「まだ戻るはず」と損失を拡大させ続けるのは、強制ロスカットの原因となります。
そのため、レバレッジ投資はもちろんですが投資をする際は、必ず事前に以下のような損切りルールを決めておいてください。
- ◯%損失が発生したら損切りする
- 投資の前提条件が崩れたら損失があっても損切りする
以上のように、事前に損切り条件を決めておくと、その場の感情に流されて損失を拡大させてしまうのを防げるでしょう。
レバレッジ取引に向いている人・向いていない人

レバレッジ取引をする前に、自分がレバレッジに向いているのか向いていないのかを理解しておくことは重要です。
レバレッジ投資に向いていない場合は対策を取れますし、レバレッジ投資をしないという選択肢もあるでしょう。
- レバレッジ取引に向いている人
- レバレッジ取引に向いていない人
レバレッジ取引に向いている人
- リスクを理解し、冷静に判断できる人
- 短期トレードの経験があり、戦略的に取引できる人
- 市場の分析が好きな人
レバレッジ取引は上記で紹介したようなリスクがあり、そのリスクを理解して冷静に判断できる人はレバレッジ取引に向いています。
また、レバレッジ取引はリスクが大きいため長期トレードより短期トレードに適しているので、短期トレードが得意な方はレバレッジでよりリスクをとってチャレンジしてみるのも面白いでしょう。
さらに、市場の方向感や加熱感、チャート分析などが得意な方もレバレッジ取引向きです。
レバレッジ取引に向いていない人
- 感情的になりやすい人
- 長期投資思考の人
レバレッジ取引は、損失を出した際の損失額が大きくなりがちなので、結果に一喜一憂しすぎてしまう方は向いていないでしょう。
また、長期投資は低リスクで時間を味方にする投資手法なので、リスクを抑える長期投資思考の方にも向いていない手法です。
国内外の主要なレバレッジ取引対応取引所
国内外のレバレッジ取引可能な取引所とレバレッジ倍率について紹介します。
国内取引所
- GMOコイン:最大2倍
- SBI VC トレード:最大2倍
- ビットフライヤー:最大2倍
日本国内の仮想通貨取引所はレバレッジ最大2倍までの取引所が多く、初めてレバレッジ取引をする方におすすめです。
海外取引所
- MEXC:最大200倍
- Bitget:最大125倍
- Bybit:一部の銘柄で最大100倍
- Binance:最大75倍
海外仮想通貨取引所はレバレッジ100倍以上の取引所も多く、国内取引所に比べてリスクも大きいため注意が必要です。
海外取引所でのレバレッジ取引は、レバレッジ取引上級者におすすめと言えるでしょう。
まとめ:初心者のレバレッジ取引は低額から始めよう!
仮想通貨のレバレッジ取引は、少ない資金で大きな利益を狙える魅力的な投資手法ですが、その反面、大きなリスクも伴います。
特に初心者は「リスク管理」を最優先し、無理のない範囲で慎重にステップアップしていくことが大切です。
最後に、相場は常に変動しているため、「学び続ける姿勢」を忘れずに持ちましょう。
短期的な利益に惑わされず、冷静にそして計画的に仮想通貨の世界を楽しんでください。