
「海外取引所のメリットを知りたい」
「国内取引所と比べて、どんなリスクがあるのか気になる」
「利用する際に気をつけるべきことを把握しておきたい」
海外取引所を開設するにあたって、このように考えている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、海外取引所のメリットやリスク、利用する際に気をつけるべきポイントを解説します。
ハッキング等の被害にあうことなく、安全に仮想通貨の取引をしたい人は、ぜひ最後までお読みください。
仮想通貨の海外取引所が話題の理由

仮想通貨の海外取引所は、手続きが簡単ですぐに始められたりコストが安価だったりするため、利用を検討する人が増えています。
また、国内取引所にはない通貨の売買や高レバレッジ取引ができる点も大きな魅力です。一方で、過去には大規模なハッキング事件が起きるなど、危険な要素も多く含んでいます。
こうした魅力とリスクの両面があるからこそ、海外取引所は多くの人の注目を集めているのです。
仮想通貨の海外取引所は日本の金融庁に登録されていない

日本国内で仮想通貨取引所が事業を行うには、金融庁の許可が必要です。もし、登録しないままに事業を行うと、資金決済法第63条の2の規定に違反することとなります。
(暗号資産交換業者の登録) 第六十三条の二 暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない。 |
e-GOV法令検索:資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)から抜粋
国内取引所は、金融庁の許可を得て、日本の法律の下で適切に運営されています。一方、海外の取引所には、日本での事業者登録をしていないものがいくつも存在します。
海外取引所を利用すること自体は、違法ではありません。しかし、出金できないなどのトラブルが起きた際に、日本の金融庁による保護やサポートを受けられないのが難点です。
仮想通貨の海外取引所を利用するメリット7選

日本の金融庁に登録されていない海外取引所ですが、以下の7つのメリットがあります。
- 取り扱っている通貨数が多い
- 取引手数料が安い
- 取引量が多くて売買しやすい
- 高いレバレッジをかけて取引できる
- ゼロカットシステムで借金を負うことがない
- 本人確認なしで手軽に取引を始められる
- 入会ボーナスや紹介特典が多くある
それぞれについて解説します。
取り扱っている通貨数が多い
海外取引所は、国内取引所よりも多くの銘柄を取り扱っています。これは、日本の法律に左右されないことで、仮想通貨を自由に上場できるからです。
例えば、国内取引所ではbitbankが38種類で最大なのに対し、海外取引所のMEXCでは約2800種類、Binanceでは約600種類の銘柄を取り扱っています。
国内取引所は金融庁の規制によって、上場審査が厳しいため、取り扱う銘柄数が制限されます。
誕生したばかりの通貨や日本で売買されていない銘柄の取引を行うなら、海外取引所の開設が必要です。
取引手数料が安い
海外取引所は、国内取引所よりも取引コストが安く設定されています。また、売値と買値の差額であるスプレッドも狭くなっているため、無駄な損失を最小限に抑えることが可能です。
売買を頻繁に繰り返す人は、手数料が安く済む海外取引所の利用が効果的でしょう。
取引量が多くて売買しやすい
海外取引所は世界中のユーザーが利用しているため、取引量が非常に多いというのが特徴です。
取引量が多いことで流動性が高まり、希望する価格での売買が成立しやすくなります。また、売値と買値の差であるスプレッドも狭くなる傾向があり、コストを抑えて効率よく取引できるのも大きなメリットです。
>高いレバレッジをかけて取引できる
海外取引所では、高いレバレッジを利用した取引が可能です。国内取引所では、金融庁の規制によって最大2倍までに制限されていますが、海外取引所の場合は100倍、1000倍のレバレッジをかけることができます。
例えば、Binanceは最大125倍、MEXCは最大500倍です。
レバレッジを高く設定すれば、少ない資金で大きなリターンを得られる可能性があります。
これは、海外取引所だから実現できる取引です。
ゼロカットシステムで借金を負うことがない
多くの海外取引所はゼロカットシステムを取り入れており、預け入れた証拠金以上の損失が発生した場合でも、追証の心配はありません。
つまり、自分で預けた資金以上の支払いをしなくて済むということです。
証拠金以上に損失が大きくなりすぎると、取引所はロスカットを行います。これは、それ以上の損失拡大を防ぐためです。
本来であれば、この時に追証を支払わなければなりませんが、海外取引所の多くはこれを補填してくれます。
国内取引所では採用されていない仕組みになっており、ゼロカットシステムは海外取引所特有のメリットといえるでしょう。
本人確認なしで手軽に取引を始められる
一部の海外取引所や分散型取引所(DEX)、本人確認をせずに取引を開始できる場合もあります。これは、中央集権的な運営者が存在しないためです。
一方、国内取引所の場合は必ず本人確認が必要になります。国内在住者限定かつ取引所によっては年齢制限もあるなど、条件が厳しいです。
海外取引所はそういった縛りがあまりなく、所有している仮想通貨のウォレットを連携するだけで取引を始められます。
余計な手間がかからずに始められる点は、海外取引所の大きな魅力の1つです。
入会ボーナスや紹介特典が多くある
海外取引所には、入会ボーナスや紹介特典が多くあります。これは、口コミなどの宣伝効果を狙ってのものです。
例えば、MEXCでは新規ユーザーが入金および取引をすることで、最大で8000USDTを獲得できる「先物ボーナスキャンペーン」を行っています。
※MEXCでは、条件を達成した新規ユーザーに最大8000USDTのボーナスを提供するキャンペーンが実施されています。
元手が少ない人でも、このようなボーナスを得ることで資金を調達できるため、お得に取引することが可能です。
仮想通貨の海外取引所を利用する5つのリスク

海外取引所には、国内取引所にはないリスクが存在します。ここでは、以下の5つを取り上げます。
- 詐欺やハッキング被害にあう可能性が高い
- 出金拒否や口座凍結の恐れがある
- 日本円での入出金に対応していない取引所がある
- 国内取引所よりも税金の計算が複雑
- 日本語対応していない場合がある
それぞれについて解説します。
詐欺やハッキング被害にあう可能性が高い
海外取引所では、詐欺やハッキングにあうリスクが高い傾向にあります。なぜなら、セキュリティが十分ではない取引所が多いからです。
過去には、大手の取引所でもハッキングが起こり、億を超える資金が幾度も流出しました。中でも、2025年2月にあったBybitのハッキング事件が世界最大で、被害総額は約15億ドル(日本円にして約2250億円)に及びました。この事件についてはFBIやFATFが北朝鮮のハッカー集団『Lazarus Group』の関与を認定しています。
セキュリティが脆い取引所を選ぶと、大きな被害を受ける可能性が高いことを念頭に置く必要があります。
出金拒否や口座凍結の恐れがある
新しく設立されたばかりで、実績のない海外取引所を利用すると、出金拒否や口座凍結の被害にあうリスクがあります。
これは、集めた資金を持ち逃げするつもりで、設立者が取引所を運営しているケースがあるからです。
つまり、最初から詐欺を仕掛ける前提で取引所を設立しているため、被害にあう可能性が高くなります。
運営元が不明確だったりライセンスをもっていなかったりする取引所には、要注意です。
日本円での入出金に対応していない取引所がある
海外取引所の多くは、日本円での入出金に対応していません。そのため、海外取引所を利用する場合は、以下の手順を踏む必要があります。
- 国内取引所を開設し、仮想通貨を購入する
- 海外取引所を開設する
- 国内取引所で購入した仮想通貨を海外取引所に送金する
送金の際には手数料が発生します。海外取引所への送金は、計画的に行うようにしましょう。
国内取引所よりも税金の計算が複雑
海外取引所で得た利益は、雑所得として課税対象となります。外貨建ての場合、円に換算してから損益通算を行うため、計算が非常に複雑です。
売買を行った時点でのレートを使って計算しなければならないため、都度メモなどしておく必要があります。
計算ミスや申告漏れがあると、加算税や延滞税が課される可能性があるため、適切に管理することが求められます。
日本語対応していない場合がある
海外取引所の多くは日本語に対応していないため、利用する際は注意が必要です。取引ルールや操作方法など、必要な情報を正しく把握できない場合、思わぬ損失につながる恐れがあります。
誤った手続きや重要項目の見落としによって、資産を失うリスクがあるため、英語に自信がない場合は、日本語に対応している取引所を選ぶといいでしょう。
仮想通貨の海外取引所を利用する際に気をつけるべき3つのポイント

海外取引所を利用する際には、リスク回避のために気をつけるべきポイントが3つあります。
- 怪しい取引所に注意!信頼できるかどうかを見極めよう
- 「海外取引所のみ」は危険!国内取引所と併用してリスクを分散しよう
- いきなり大金はNG!まずは少額から始めよう
それぞれについて解説します。
怪しい取引所に注意!信頼できるかどうかを見極めよう
取引所を選ぶ際には、事前のリサーチを徹底し、信頼できるかどうかを確かめましょう。
セキュリティが十分でない取引所を選ぶと、ハッキング被害にあう可能性があります。過去には大手取引所でも大規模な事件が起こっており、有名だからといっても安心できません。
また、新しく設立されて、実績がない取引所は、出金拒否や持ち逃げなどのリスクがあります。設立者が最初から詐欺を目的にしているケースもあるため、十分注意が必要です。
利用に際して、ライセンスの有無や運営実績、セキュリティ対策などを入念に調べ、確認しましょう。
「海外取引所のみ」は危険!国内取引所と併用してリスクを分散しよう
海外取引所を利用する場合は、国内取引所と併用するようにしましょう。
海外取引所は、取り扱っている銘柄が多く、安いコストで取引できるのが魅力です。しかし、金融庁の登録を受けていないため、トラブル時のサポートを受けにくいという弱点があります。
仮に出金トラブルやサービス停止が起きた場合、資産が戻ってこなくなる可能性もあるでしょう。リスクを軽減するには、取引所を以下のように使い分けるのがおすすめです。
- 国内取引所:日常の入出金や資産保管用
- 海外取引所:短期的なトレード用
用途に合わせて取引所を利用することで、安全性を確保できるでしょう。
いきなり大金はNG!まずは少額から始めよう
海外取引所を利用する場合、いきなり大金を預けると、大きな損害を受けるリスクがあるため、少額から始めるのがおすすめです。
海外取引所は日本語対応していない場合が多くあり、操作ミスやトラブルが起きた際に、資産を失う可能性が極めて高いです。
まずは取引ルールや出金方法の操作を覚え、正確に扱えるようになってから金額を増やすようにしましょう。
これは国内取引所にもいえることですが、海外取引所を利用する場合には、より留意するべきです。
仮想通貨の海外取引所は慎重に利用しよう
海外取引所には、国内取引所では扱っていない仮想通貨があるなど、多くのメリットがあります。
しかし、日本の金融庁に登録されていないこともあり、リスクが大きいことを認知しておかなければなりません。
海外取引所を利用する際には、事前のリサーチを徹底し、少額から始めることをおすすめします。
ハッキング等の被害にあうことなく、安全に仮想通貨の取引をしましょう。